夫に捧げた14年、裏切りの果て の小説カバー

夫に捧げた14年、裏切りの果て

9.1 / 10.0
地下室から上場企業へと会社を育て上げた『夫に捧げた14年、裏切りの果て』。妊娠した妻に中絶を強要し、愛人と隠し子のために妻の追放を企む冷酷な夫。かつての流産の真相が愛人の策略だったと知った時、主人公は復讐を誓う。創立記念パーティーで夫の虚飾を剥ぎ取り、どん底へ突き落とす物語。billionaire romance novelsとしても楽しめる、裏切りと再生の現代劇。人気のromance novelを今すぐチェック。
「夫に捧げた14年、裏切りの果て」のあらすじ
地下室の質素なオフィスから始まり、共に歩んだ十四年。夫と二人三脚で会社を上場企業へと成長させた月日は、私の誇りであり愛の証だった。しかし、待望の妊娠を伝えた私に夫が放ったのは、中絶を強要する冷酷な言葉だった。裏で彼は秘書の千鶴と通じ、隠し子と共に別の家庭を築いていたのだ。さらに衝撃の事実が判明する。昨年の流産は事故ではなく、千鶴が仕組んだ罠だった。夫はすべてを知りながら私を欺き、今や私を精神的に追い詰め、会社の地位さえも愛人に譲ろうとしている。二度も我が子の命を奪われ、絶望の淵に立たされた私は、復讐のために立ち上がる。自分たちだけ「完璧な家族」として笑うことは許さない。会社の創立記念パーティー、夫が私の引退を華々しく発表しようとしたその時、私はマイクを奪い真実を突きつける。長年捧げてきた献身への報いは、彼が築き上げた名声と愛を一夜にして完膚なきまでに破壊すること。裏切りの果てに、地獄のようなショーの幕が上がる。
もっと見る

夫に捧げた14年、裏切りの果て 第1章

夫と二人三脚で, 地下室の小さなオフィスから上場企業へと会社を育て上げた. 14年間の結婚生活は, 苦楽を共にした愛の証だと信じていた.

しかし, 待望の妊娠を告げた私に, 夫は冷酷にも中絶を強要した.

「今は重要な時期だ. お前のためなんだ」

その裏で, 彼は秘書の千鶴と, 隠し子である息子と幸せな家庭を築いていたのだ.

昨年の流産も事故ではなかった. 千鶴が階段に撒いた石鹸水のせいだと知りながら, 夫は私を欺き続けていた.

今, 彼は私を精神的に追い詰め, 会社のトップの座から引きずり下ろし, その場所を愛人に与えようとしている.

私の子供を二度も殺しておきながら, 自分たちは「完璧な家族」として笑っているなんて.

絶望の淵で, 私は涙を拭った.

会社の創立記念パーティー, 夫が私の「引退」を発表しようとしたその瞬間, 私はマイクを奪い取った.

「さあ, ショーの始まりよ」

私は夫の愛と名声を, 一夜にして地獄へと突き落とす.

第1章

佐伯朋美 POV:

夫から「重要な時期だ」「体のことが心配だ」と中絶を強要された瞬間, 私の世界は音を立てて崩れ落ちた. あの男が私を裏切っていた. それだけではない, 彼は私を物理的に, 精神的に, 会社のトップの座から引きずり下ろそうとしている. そして, その横には, 彼が溺愛する女が立っていた.

海斗は千鶴を抱き締め, 私に憎悪を込めた視線を向けた. その目は, まるで私が邪魔なゴミであるかのように.

「朋美, 千鶴がお前の代わりになる. お前はもう用済みだ」

彼の声が, 私の鼓膜を突き破った.

「馬鹿なことを言わないで! 」

私は怒りに震えながら, 海斗の手を突き飛ばした.

そして, 千鶴の腕を掴み, 無理やり引き寄せた. 彼女の顔には一瞬, 怯えが浮かんだが, すぐに計算された媚びた表情に変わった.

「この女が, お前の代わりだと? ふざけるな! 」

私は千鶴の髪を掴み, 無理やり顔を上げさせた. 彼女の目は私を射抜いていた.

「お前は一体, 誰の女だ! 」

私の声は, ひどく震えていた.

あの日のことを思い出す. 海斗が千鶴と不倫していると知った日.

それは, ある雨の日の午後だった. 私は自宅で, 海斗のスーツの中から子供の絵と, 千鶴との親密な写真を見つけた. その瞬間, 私の心は凍りついた. 海斗は出張中で, 私は一人, 狂ったように家中の物を破壊した. 結婚式の写真を引き裂き, 家具を蹴り倒し, 食器を壁に投げつけた. 硝子の破片が飛び散り, 床に散らばった. 私の心も, それと同じように粉々に砕け散った.

家政婦の田中さんが慌てた様子で海斗に電話をかけているのが聞こえた.

「旦那様, 奥様が…様子がおかしいんです…」

田中さんの言葉が, わずかに私の意識を引き戻した. 私は破壊の真っ只中で, まるで操り人形のように動きを止めた.

そして, そのまま床にへたり込んだ.

夜遅く, 海斗が帰ってきた. 彼は疲れた様子で, ネクタイを緩めながら玄関に入ってきた.

「どうしたんだ? 田中さんから連絡があったが, 何かあったのか? 」

彼は何食わぬ顔で私に問いかけた.

私は, 彼の首元に目をやった. 彼のネクタイの結び方が, いつもと違っていた.

いつも, 彼のネクタイは私が結んでいた. 私は彼のために, 特別な結び方をしていた. それは, 彼が大学を卒業して初めての面接に行く朝, 私が教えてあげた結び方だった. 彼の成功を願って, 心を込めて.

しかし, 今日彼の首元にあるのは, 私が結んだものではなかった. それは, 見覚えのある結び方だった.

千鶴が彼の秘書として入社した頃, 彼女は不器用で, ネクタイの結び方も知らなかった. ある日, 海斗が「千鶴がネクタイの結び方を教えてくれと頼んできた」と笑いながら話していたのを思い出した. 私はその時, 彼が新人育成に熱心なのだと信じていた. 彼の優しさに, 密かに感動さえしていた.

だが, あの結び方は, 千鶴が彼に教えてもらった, と得意げに話していた, 彼女独自の結び方だった.

その瞬間, 私の心臓は止まったかのように感じた.

海斗は千鶴のことを頻繁に口にするようになった. 最初は仕事の愚痴のように聞こえたが, その声色には奇妙な感情が混じっていた.

「千鶴は本当にドジなんだ. コーヒーをひっくり返してばかりで, 全く手が掛かる」

そう言う彼の口元は, なぜか緩んでいた.

私は嫉妬に狂い, 海斗に千鶴を解雇するよう迫った.

「あの女をクビにして! 」

私の剣幕に, 海斗は眉をひそめた.

「朋美, 君はまた感情的になっている. 冷静になれ」

彼は私を不合理だと非難した.

結局, 彼は渋々千鶴を別の部署に異動させた. 私は一時的に勝利を味わったが, それは偽りの勝利だった.

人というものは, 愛憎の間に揺れ動く. 心が一度変われば, 誰にも止めることはできない.

海斗は千鶴と密かに連絡を取り合っていた. 彼の視線は, 私が気づかないふりをしていることを知っているかのように, 冷たく私を突き刺した.

私は, 自分が愚かな女だと感じた.

床に座り込んだまま, 私は海斗に尋ねた.

「千鶴はどこ? 」

私の声は, 死んだように冷たかった.

海斗の顔色が, 一瞬で変わった.

「何を言っているんだ? お前, まさか狂ったのか? 」

彼は怒鳴ったが, その目には焦りが浮かんでいた.

私は, 手に持っていた写真を一枚一枚, 彼の目の前に広げた.

そこには, 海斗と千鶴が抱き合っている姿, キスをしている姿, 病院のベッドで子供を囲んで微笑んでいる姿が収められていた. 鮮明な写真の数々が, 彼の嘘を暴き立てた.

私の体は激しく震え, 感情を抑えることができなかった. 海斗は沈黙したまま, 何も言えなかった.

やがて, 彼はかすれた声で言った.

「もう, 知ってしまったのか」

彼の声には, 諦めと, ほんの少しの安堵が混じっていた.

彼は千鶴との出会いを語り始めた. それは, まるで安っぽいドラマのような話だった.

「最初は, 彼女のことなんて何とも思っていなかったんだ」

彼はそう言ったが, その言葉には嘘が混じっていることは明白だった.

「でも, あの頃の俺は, 仕事で色々と大変だった. そんな時, いつも俺のそばにいて, 明るく振る舞ってくれたのが千鶴だったんだ」

彼は, 自分自身の裏切りを正当化しようと必死だった.

その言葉を聞いて, 私の心はさらに深く沈んだ.

続きを読む

夫に捧げた14年、裏切りの果て 目次一覧

Ch. 1
Ch. 2
Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

結婚式で捨てられて、いまは御曹司の最愛妻 の小説カバー
7.9
三年にわたる交際の末、結婚式という最良の日に恋人から非情な別れを告げられた瀧ノ上清穂。「田舎者」と蔑まれ、彼は自らの“初恋の相手”を選んで去っていった。しかし、裏切られた清穂の正体は、この海都で並ぶ者のない巨大財閥の令嬢だったのだ。どん底の失恋を機に、彼女は隠していた莫大な資産と本来の誇りを取り戻していく。かつての恋人への復讐と鮮やかな逆転劇が幕を開けるなか、彼女の前に現れたのは、冷徹な実業家として恐れられる藤原だった。周囲が畏怖する彼が清穂にだけ見せるのは、誰よりも深く彼女を信じ、慈しむ情熱的な素顔。「おまえが俺の妻でよかった」という甘い言葉とともに、彼は清穂をあらゆる困難から守り抜く。愛した男に捨てられた傷跡を抱えながらも、献身的に尽くす藤原の深い愛に触れ、清穂の心は再び激しく揺れ動く。裏切りの果てに見つけたのは、真実の絆。どん底から這い上がった令嬢が掴む、二度目の恋と至高の幸福を描くシンデレラストーリー。
不妊治療の果て、裏切りの産婦人科 の小説カバー
8.8
長年にわたる不妊治療の末、ようやく授かった新しい命。夫を驚かせようと妊娠を伏せていた彩音が産婦人科で目撃したのは、愛人の膨らんだ腹を慈しむ夫の姿だった。さらに愛人は、彩音に突き飛ばされたと嘘の主張を展開する。逆上した夫は、弁解も聞かずに彩音を力任せに突き飛ばした。その衝撃で、夫に伝えるはずだった我が子の命は、皮肉にも父親である彼自身の手によって奪われてしまう。激痛に苦しむ妻を一顧だにせず、夫は失望の言葉を吐き捨てて愛人を抱きかかえ去っていった。夫が守ったのは女の虚言であり、殺したのは待ち望んだ実子だったのだ。血の海の中で夫への愛を完全に断ち切った彩音は、離婚届と愛人の自作自演を証明する監視カメラの映像を自宅に残し、静かに姿を消した。それから5年後。真実を知り、全てを失って狂乱寸前となった元夫が彩音の前に現れる。「許してくれ」と足元にすがりつき、なりふり構わず許しを乞う男。そんなかつての配偶者を、彩音はゴミを見るような冷徹な眼差しで見下ろすのだった。
私を見殺しにしたくせに、今さら這いつくばって許しを乞うなんて の小説カバー
9.6
5年という歳月をかけ、成瀬結菜は夫の松本明男を深く愛し抜いてきた。しかし、彼の元恋人が妊娠して現れたことで、正妻としての立場は崩壊し、周囲の嘲笑の的にされてしまう。結菜は一切の財産を捨てて離婚を決意するが、明男は関係修復を懇願した。そんな折、結菜と元恋人が同時に水に落ちる事故が発生する。明男は迷わず妊婦である元恋人の救助を優先し、その瞬間、結菜の心は完全に打ち砕かれた。彼女は誰にも告げず、静かに表舞台から姿を消す。それから3年後。結菜は国際的な映画祭で最優秀女優賞を受賞し、誰もが羨む輝きを放つスターとして再降臨した。彼女の周囲には新たな父親の座を狙う有力者たちが集まり、帰国した空港は熱狂に包まれる。かつての傲慢さを失い、惨めな姿でひざまずきながら「見捨てないでくれ」と涙ながらに許しを乞う明男。しかし、地獄のような後悔に苛まれる彼を待っていたのは、結菜の冷徹な眼差しだけだった。愛を捨て復讐へと転じた彼女の、新たな人生が幕を開ける。
去り際の身代わり、/還りて愛を喰らう の小説カバー
9.3
実家を救うという使命のため、彼女は冷徹な実業家の傍らで「有能な秘書」と「都合の良い愛人」という二つの顔を3年間演じ続けてきた。しかし、彼が長年の想い人である初恋の女性と婚約したという報せに、彼女は自ら幕を引くことを決意する。彼への未練を断ち切り、その身に宿した新しい命を隠したまま、彼女は彼の前から静かに姿を消した。それから5年の歳月が流れ、かつての愛人は数百億の資産を操る巨大財閥の女性CEOとして社交界に返り咲く。大衆の注目を浴びる中、彼女はかつての雇用主である男の会社を3年以内に買収すると大胆に宣戦布告した。世間がその因縁に沸き立つ中、二人きりになった瞬間、男は彼女を激しく追い詰め、愛を乞うように囁く。「会社も俺のすべてものも、君に捧げよう。だからお願いだ、二度と俺を置いていかないでくれ」と。かつての上下関係は逆転し、執着に近い愛を注ぐ男と、復讐を誓う女の再会。持参金として差し出された会社と彼の心に対し、彼女が下す決断とは。愛と野望が交錯する、衝撃のリベンジ・ラブストーリー。
奪われた未来、今度は私の番 の小説カバー
8.7
前世の私は、大学入試で身に覚えのない不正の罪を擦り付けられ、三年間もの受験資格停止処分を受けた。輝かしい未来を奪われ、絶望の中で工場勤務を続ける日々。対照的に、双子の姉は名門映画学院への入学を機に華々しい芸能界デビューを飾り、トップ女優としての地位を確立していく。そんなある日、仕事帰りに強盗に襲われた私は、誰に看取られることもなく孤独な死を遂げた。しかし、目を覚ますと私は過去に戻っていた。二度目の人生では、同じ悲劇を繰り返さない。まずは姉の受験票を密かに隠し、彼女の栄光への道を阻む。さらに、人身売買に手を染めていた非道な両親を警察に通報し、その手で裁きを受けさせた。どん底の人生を歩まされた前世の復讐を果たすため、私は自らの意志で運命を書き換えていく。奪われた未来を取り戻し、今度は私が仕掛ける番だ。緻密な計画と行動力で、裏切り者たちを一人ずつ追い詰めていく逆襲劇が幕を開ける。
裁かれぬ凶行 の小説カバー
9.1
5年前、私はある中学校で起きた凄惨ないじめ事件を担当した。加害者はわずか13歳の少年であったが、その犯行内容は常軌を逸していた。被害者に対して排泄物の摂取を強要し、執拗な性的暴行を繰り返すという、あまりにも残忍で非人道的な手口だったのだ。心身ともに深く傷ついた被害者は、重度のうつ病を発症した末に自ら命を絶つという最悪の結末を迎えてしまった。しかし、事態が明るみに出ると、加害者の両親は反省するどころか、莫大な金に物を言わせて隠蔽工作を図った。彼らは私に対して卑劣な偽証を強要したばかりか、「息子は未成年なのだから、いじめはもちろん、たとえ殺人を犯したとしても刑務所に入る必要などない」と勝ち誇ったように言い放ったのである。法律の壁に守られ、罪から逃れようとする加害者一家。法と倫理が揺らぐ中、裁かれることのない凶行が残した傷跡は、今もなお深く暗い影を落としている。未成年という免罪符を盾に悪行を正当化する傲慢な親子と、救われなかった被害者の悲劇を描く、衝撃の現代ミステリー・ホラー。
章
今すぐ読む
共有