フォローする
章
共有
雨が降っていますが、私と結婚しませんか? の小説カバー

雨が降っていますが、私と結婚しませんか?

雨が降りしきるバス停という、日常の何気ない場所から二人の物語は動き出します。偶然の出会いを果たした「僕」と「君」が、互いの存在を通じて、自分たちの心の奥底に眠る真実の感情を模索し、解き明かしていく過程を丁寧に描いた恋愛小説です。本作は、小説投稿サイト「カクヨム」にて公開されている『雨が降っていますが、私と結婚しませんか?』をベースにしながらも、「蒼海本棚バージョン」として再構築された特別な作品となっています。既存のストーリーを単に再掲するのではなく、独自の展開やルートを盛り込むことで、既読の方にとっても未読の方にとっても新鮮な驚きがある内容に仕上げました。雨の日の静かな空気感の中で、揺れ動く二人の関係性と、本当の気持ちとは何なのかという根源的な問いに向き合う姿を追っていきます。洗練された構成で贈る、切なくも温かい現代ラブストーリーをぜひお楽しみください。物語の終着点に何が待っているのか、彼らの選択を見守っていただければ幸いです。
章
共有

章 2

僕は、家に帰って、僕は、冷えた体を温めるため、風呂に入りながら、友人に電話をかけていた。

「それは、とても難しい恋かもね。」

「どうして?何が無理なのか教えろよ。聴いてやろう、イケメンくん!」

「僕をイケメンって呼んでる時点で、おかしいんだよ。ちゃんと名前で呼んでみなよ!」

「わかったよ、氷雨!でいいのかな?」

「まあ、僕の親友が、そこまで頼って来てくれるなら、本気で答えなきゃだよね。」

こいつ本当ウゼー。

「じゃあ、どうしたらいいんだよ。俺は、今後。」

「そうだねー.......、試しに、告白?」

「バカ、それは、おかしいよ。最低でも、早いって。」

「でも、善は急げ!て言うし、行ってこれば、いいじゃん?」

「僕に同意を求めるな。あー、そろそろ上せてきた。じゃあ、またな、イケメンくん!今後ともよろしく。」

「うん。また明日。頑張れよ、主人公。あ、フラグは、間違っても、回収するなよ!」

どういう意味だよ。

そして、僕は、電話をきり、風呂を出た。

風呂を出たあと、リビングで、冷たいお茶を飲んでると、母さんが、帰ってきた。

「ただいま、裕太。」

「おかえり、母さん。今日は、早かったね。何かあったの?」

「お母さんね、再婚しようと思うの。」

「うん?」

「それで、相手さんが、今から、うちに来るって、さっき電話があったから、裕太も、適当にちゃんとした服に着替えておいて。」

ちょっと待てーーー、母さん、何も説明受けてないぜ。再婚とか!

「母さん、ちょっと、説明を求める!」

「説明も何も、言った通りの意味よ。わかったなら、早く着替えなさい。」

なるほど、そういうことか。ともかく、今は、着替えるのが先だ。ちゃんとした服なんて、あんまり、というか、持ってない。とりあえず、制服でいいか。

制服に着替えた僕は、また、リビングに向かい、スマホの通知を確認して、ゲームを始めてしまっていた。

10分くらい経って、インターフォンのチャイムがなった。

「はい、どちら様で.......。」

ドアを開けると、ヤクザかマフィアのどちらかに、入っていそうな顔つきの男性が、たっていた。

「こちらのお宅は、冴河宅でよろしかったでしょうか。」

「はい、合ってます。こんな所でもなんですし、ど、どうぞ中に入ってください。」

「では、失礼致します。」

そう言うと、玄関に入ってもらった。その時、1度あったことのある女の子が、一緒に入ってきた。

2人をリビングに案内し、お茶を出して、母さんを呼びに母さんの部屋に向かった。

「母さん、ヤクザに嫁入りするの?」

少し強めの口調で、問いかけた。

「何言ってるの、嵐さんは、ヤクザなんかじゃないわよ。」

だよな、さすがの母さんでも、ヤクザは無理か。

「ゴメン、人を見た目で判断してしまった。ところで、もう二人とも来て、リビングで、待ってもらってるから。」

「嘘、すぐ行くから、2人と何か話していて、今後のためにも。」

「なんだよ、それ。」

そう言いながら、僕は、母さんの部屋を出て、2人のいる、リビングに向かった。

「すみません、もう少ししたら来ると思います。」

「そうか、では、自己紹介をしておこう。私は、雨沢 嵐《あまさわ あらし》という者だ。そして、こちらが.......。」

「雨沢 雪乃です。初めまして。」

「は、初めまして。冴河 裕太と申します。母がお世話になっています。」

「よろしくな、裕太君。で、私の呼び方だが、無理に、お義父さんと、呼ばなくても構わない。君の父親とは、面識は、あるし、何かあったら、頼まれている。」

「こちらこそ、嵐さん。嵐さんは、お仕事は、何をやっているのでしょうか。」

「私は、刑事をやっている。雪乃は、君と同じ学校に通っているのだよ。」

「はあ。あの、うちの母と結婚なさると伺ったのですが、もう、籍とか入れられているのですか。」

「いや、まだ入れてない。だが、結婚しても、姓を変えないことにしてあるから、そこは、心配しなくてもらって結構だよ。」

心配は、そこでは、無いのだが.......。

「お父さん、私、裕太くんと、二人で話したい。」

なんですって!?

「いいんじゃないか?裕太君、少し娘と、話してはくれていだろうか。」

「わかりました。場所は.......。」

「裕太くんの、部屋でどう。ダメかな?」

上目遣いはずるい。ヤバい、惚れちゃいそう。まあ、もう、惚れてんだけど。

「わかりました。僕の部屋に行きましょうか。」

僕は、先輩を僕の部屋に案内した。

「どうぞ、どこでもいいので、座ってください。」

とベットに座りながら、僕は、言った。

「じゃ、じゃあ、失礼します。」

と言って、僕の隣、しかも、ゼロ距離の位置に先輩は、座った。

「なんで、僕の隣なんですか。」

と僕が少し恥ずかしげに聞くと、

「君が、どこでもいいから座れと言うからだろ。だから、1度座ってみたかった君の隣に座ったんだよ。ダメ、だったかな?」

上目遣いは、ズルいって。やばい、距離が近いせいか、なんかいい匂いがする。落ち着け、とりあえず、何か、話さなくちゃ。

「ねえ、部屋、結構綺麗にしてるんだね。なんか、私の中の評価がかなり上がったような気がするよ。」

「僕、あんまりもの持ってないので、ちらからないというか、なんというか。とりあえず、あんまり服とかも持ってないので、今日は、制服なんです。」

「でも、私は、君の制服姿好きだよ。なんか、見栄を張ってる感じで。」

「喧嘩売ってます?買いますよ。いくらですか?」

「売ってないよ。冗談冗談。あのさ、ちょっと真剣な話してもいいかな。」

何!?このタイミングで切り出されるの。

「真剣な話ってなんですか。」

「私、実はね.......。」

なんでそんなに、間を開けるの?

「君のことが、好きすぎて、うちの親に結婚して欲しくないの。」

「はい?」

え?今、告白された?このタイミングで?僕が?

そんなことを考えている間に、

「だからさ、私と、結婚を前提に付き合ってくれない?それとも、私のこと、嫌いなの?」

「いや、嫌いとかないんですけど.......。」

「なら、既成事実を作ってしまえば、君は、私に反抗できないよね。」

と言って、先輩は、僕を押し倒してきた。ベットで良かった。頭打つと痛いから。ってそういう事じゃないだろ。まずいよこの状況。

「大丈夫、私が、全部やるから。心配しなくていいよ。」

この人マジだ。やばい、このままじゃ.......。

『コンコンコン』

と軽快な音が、部屋に、響いた。

「先輩、とりあえず1度離れて下さい。」

「あと少だったのに。」

先輩を、勉強机の椅子に座らせて、

「どうぞ」

と返事をした。

「裕太、入るわよ。」

と言って、母さんが、入ってきた。

「あ、雪乃ちゃん。お父さんが、帰るから、読んできて、って言ったから、呼びに来たら、ふたり、もう仲良くなったのね。」

「はい、話をして、仲良くなりました。じゃあ、行きますね。またね、裕太くん。」

と言いながら、小さく手を振って、彼女は、僕の部屋から出た。

先輩が、帰ったあと、僕と母さんは、晩御飯を食べて、僕は僕は、部屋に戻った。部屋で、考え込んでいた。どうして僕を、先輩が、好きになったのか。その理由を。

その晩、夢を見た。

2年が始まった4月のことだった。その日は、ちょうど、母さんの誕生日で、何を買ってあげようか悩んでいた。春休みを利用し、バイト代を貯めたんだ。何かいいものをプレゼントしたいと思っていた。

授業が終わり、僕は、教室を出ると、バス停に向かう方ではない方に、歩いていった。そこで、うちの学校の制服(多分ひとつ上の学年)の生徒が、ガラの悪い3人組に、捕まっていた。どうしようか悩んでいた。だが、僕の体は、頭で考えていたことと逆に動いた。

「すみません、この子、僕の彼女なんで、手、出さないでください。」

僕は、彼女の手を掴んで、その場から離れた。

「チッ、彼氏持ちかよ。」「ハズレだな。」「別の子探そうや。」

そんな声が聞こえてきていた。

数十メートル行ったあたりで、彼女の手を離した。

「ありがとうございます。」

「よくあるのかい。」

「いえ、今回が初めてです。」

「じゃあ、今後は、気をつけた方がいいよ。じゃあ、僕は、これで。」

僕は、その場を離れようとした。

「待ってください。なにかお礼をしたいのですが、なんでも言ってください。」

と彼女は、言った。

「じゃあ、今から、母親へのプレゼントをかいにいくから、それに付き合ってよ。それで、チャラでいいじゃん。」

「わかりました。では、行きましょうか。あぁっ、まだ自己紹介してませんでしたね。私の名前は、.......。」

そこで、僕は、目を覚ました。どうして僕は、忘れていたのだろうか。その時買ったスマホのカバーは、いまだに、母さんは、使っている。

「なんで、そんな大切な事を、俺は忘れていたのだろう……。先輩、可愛かったなー、今も可愛いけど」

と、呟きながら、僕はまた、眠りについた。

休みだし、いいよな?