冷血御曹司の溺愛包囲網からは絶対に逃げられない。 の小説カバー

冷血御曹司の溺愛包囲網からは絶対に逃げられない。

9.0 / 10.0
『冷血御曹司の溺愛包囲網からは絶対に逃げられない。』は、裏切りへの復讐を誓う詩織と冷徹な彰人の婚姻契約を描く現代のromance novel。妹と元婚約者に財産を狙われた詩織は、残忍と噂される彰人と手を組む。偽りの関係のはずが、彰人は圧倒的な財力で彼女を執拗に守り抜く。契約満了後、自由を求める詩織を待っていたのは、 billionaire romance booksらしい独占欲全開の終身契約だった。復讐の果てに待ち受ける甘く危険な執着から、彼女はもう逃げられない。人気のonline novel。
「冷血御曹司の溺愛包囲網からは絶対に逃げられない。」のあらすじ
信じていた真実の愛が残酷な嘘だと知った時、榊原詩織の運命は一変した。婚約者と実の妹は裏で繋がり、彼女の財産を奪おうと画策していたのだ。裏切りの果てに純潔を失った詩織は、復讐を果たすべく、残忍で気まぐれと恐れられる長谷川彰人との婚姻契約に踏み切る。周囲は彼女の破滅を予想したが、聞こえてくるのは彰人からの過剰なまでの溺愛ぶりだった。妹が詩織の過去を罵れば、彰人はその相手が自分であると告げて一蹴し、元婚約者が詩織を見下せば、最高級の宝石を玩具として与え、彼女の価値を証明してみせる。どんな窮地からも守ってくれる彼の献身を、詩織は契約上の演技だと言い聞かせていた。しかし、契約期間が満了し、自由の身になろうとした彼女を待っていたのは、冷徹なはずの男による強引な拘束だった。寝室に閉じ込められ、夜通し愛を刻み込まれた詩織が契約違反を訴えると、彰人は狂気すら孕んだ熱い視線で彼女を見つめる。彼は最初から、一時的な協力関係など望んでいなかった。指先で彼女の唇を辿りながら、彰人は「終身契約」への更新を執拗に迫るのだった。
もっと見る

冷血御曹司の溺愛包囲網からは絶対に逃げられない。 第1章

北上市の夜更け、土砂降りの雨だった。

榊原詩織がホテルに駆けつけた時、全身はずぶ濡れで、髪の毛が頬にみっともなく張り付いていた。

詩織は自分の身なりを整える余裕もなく、うつむいて胸に抱えた紙袋の中身を確かめた。

30分前、婚約者の有馬明彦からメッセージが届いた。シャツに赤ワインをこぼしてしまい、明日使うから新しいものを届けてほしい、と。

突然の雨で、車を降りた時に傘すら持っていなかったが、幸い明彦の新しいシャツはコートで包んでいたため、濡れずに済んだ。

彼女は足早に上の階へ上がり、明彦の部屋を見つけた。

ドアは半開きになっていた。もうすぐ彼に会えると思うと、詩織の胸に甘い感情が広がり、そっとドアを押し開けた。

突然、長い腕が伸びてきて、彼女は部屋の中へと引きずり込まれた。

目の前が突然深い闇に包まれ、直後に焼け付くような熱い体が覆いかぶさってきた。男の大きな手が彼女の首を掴み、悲鳴を喉の奥に押し込めた。

「俺に薬を盛るとは、死にたいのか?」

怒りに満ちた冷酷な声が響き、詩織は頭が真っ白になった。

(有馬明彦の声じゃない!)

(彼は誰? どうして明彦の部屋にいるの!?)

底知れぬ恐怖が詩織を飲み込んだ。彼女は必死に男の手首にしがみつき、絞められた喉から、言葉を絞り出した。「あなたのことなんて知らない。私は婚約者を捜しに来たの……」

「ふん、まだ嘘をつく気か!」

男は耐えきれない様子でうつむき、彼女の唇を噛んだ。罰を与えるかのように力を込めると、かすかに血の味が広がる。それが女の唇の甘さと混ざり合い、男の心の底にある欲望を煽り立てた。

首を絞めていた手がゆっくりと緩む。男は彼女を抱き上げてベッドに放り投げ、その上に覆いかぶさった。

「いや……」

詩織の悲鳴はすべて男に飲み込まれた。冷たく濡れた服が脱がされ、彼女はまるで燃え盛る炎の中に落ちたかのように、この氷のような雨の夜に無理やり一緒に燃やされていった……

3時間後、激しい雨がようやく上がった。

男が詩織の上から退いた。露出した上半身には艶めかしい赤い爪痕が無数に走り、先ほどの激しい行為を物語っていた。

詩織は布団にうずくまり、顔には事後の赤みがさしていた。華奢な体が小刻みに震えている。

暗闇の中で、男の嘲笑するような声が聞こえた。「俺がお前の初めての男ってわけじゃないだろ? いつまで純情ぶるつもりだ?」

彼は詩織の顔を見るのすら嫌悪しているとばかりに、そのままバスルームへ入りシャワーを浴び始めた。

ざあざあと水音が響く。詩織のうつろな目に再び焦点が合い、ドアに穴を開けんばかりの勢いでバスルームの方向を睨みつけた。

彼女は気だるい体を必死に起こし、手探りで部屋の電気をつけると、床に落ちていたスマホを拾い上げた。

画面のロックを解除すると、無数の不在着信とメッセージの通知が飛び出してきた。

その内容を見た瞬間、詩織の顔色が悪くなった。彼女は急いで服を着ると、振り返りもせずに部屋を飛び出した。

しばらくして、バスローブを羽織った長谷川彰人が、長い脚でバスルームから出てきた。欲求を満たした男の目元は気だるげで、全身から清々しさが漂っていた。

突然、彼は足を止め、明るくなった誰もいない部屋を見回して、危険な光を宿した目を細めた。

彼は足早に歩み寄り、布団をめくった。大きなベッドにはやはり人影はなく、ただ赤い血の跡だけが残されていた。

男はわずかに呆然とした。

(あの女、初めてだったのか? 冗談だろ?)

彼はスマホを取り出し、電話をかけた。冷ややかな声で命じた。『今夜俺をハメた女がさっき逃げた。すぐに捕まえて連れ戻せ。俺が直接処理する』

部下は訳が分からない様子で答えた。『その女なら1時間前に我々が捕らえましたが。今すぐそちらへ連れて行きましょうか?』

彰人は太い眉をひそめた。『1時間前だと?』

『はい。弟君が娼婦を買収し、あなたの部屋に送り込んで無理やり襲われたと偽装させ、名声に傷をつけようとしていたことが判明しました。 ですが、その娼婦はホテルに入る前に我々が捕らえまして……』

部下は説明を終えると、恐る恐る尋ねた。『おっしゃっている女とは、誰のことですか?』

彰人は一時沈黙した。

自分の言った女とは誰なのか?

彼自身にも分からなかった。

彼は再びシーツの痕跡に目をやった。その赤色が突然、目を刺すように痛々しく感じられた。

男の呼吸が急に荒くなり、息苦しさを覚えた。

(まさか、本当に人違いだったのか?)

病院。

詩織はタクシーを降りると、まっすぐ上の階にある医師のオフィスへ向かった。ドアを開けるなり尋ねた。

「先生、メッセージに書いてあったことは本当ですか?母のドナーが気が変わったって?」

医師は深くため息をつき、頷いて答えた。「ええ。何度も説得したのですが、相手は体調不良を理由に提供できないの一点張りでして」

詩織は目の前が真っ暗になった。

彼女の母である清原和音は白血病を患っていた。数ヶ月前に適合する骨髄が見つかり、相手も快く提供を引き受けてくれて、詩織はずっとそのことを喜んでいた。

移植手術は今日の昼間に予定されていた。和音はすでに骨髄破壊の処置を終えており、体内の造血システムは完全に破壊されている。このタイミングでドナーが辞退するなど、和音の命を奪うも同然だった。

彼女の声は震えていた。「ドナーの方と直接お話ししたいです」

医師は困ったような顔で答えた。「規則で、ドナーと患者側の接触は禁止されているんです」

(じゃあ、可哀想な母はどうなるの?)

まさか、清原和音が死んでいくのをただ見ていることしかできないというの!

詩織は声を上げて叫びたかったが、医師を困らせても仕方がないことはよく分かっていた。

オフィスを出ると、彼女はすぐに明彦に電話をかけた。

有馬家は北上市で絶大な権力を持っている。万が一、明彦が急いで新しいドナーを見つけてくれるかもしれない。ほんの少しの可能性でも……

電話は鳴ったが、すぐに切られた。

詩織は諦めきれず、もう1度かけ直した。

静かな廊下に、突然聞き覚えのある着信音が響いた。

詩織はギクリと身を強張らせ、すぐ近くにある半開きの病室のドアを見た。

(明彦も病院にいる?)

(じゃあ、どうして私をホテルに呼んだの?)

無数の疑問が詩織の心に積み重なった。彼女は急いで歩み寄り、ドアを押し開けようとした。その狭い隙間から見えた室内の光景が、残酷なほどはっきりと彼女の目に突き刺さった。

ドクン――

詩織はその場に呆然と立ち尽くした。

続きを読む

冷血御曹司の溺愛包囲網からは絶対に逃げられない。 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

十年間の愛と犠牲の果てに の小説カバー
9.0
恋人である海斗の夢を叶えるため、私は十年間という歳月を捧げ、自分を犠牲にして尽くし続けてきた。しかし、記念日という大切な日に彼は三時間も私を放置した挙句、別の女性のパニック発作を理由に約束を反故にする。その裏で彼がSNSに投稿していたのは、その女性と贅沢なスパを満喫する姿だった。さらに追い打ちをかけたのは、かつて海斗に「古臭い」と否定された私の和菓子が、彼女のオリジナル作品として発表されていた事実だ。海斗は私のパンアレルギーすら把握していないのに、彼女の嘘には過剰なまでの献身を見せる。私の愛も才能も、彼らにとっては都合よく利用するだけの道具に過ぎなかったのだ。絶望の淵でようやく目が覚めた私は、翌朝、彼女のもとへ向かう彼を静かに見送った。長年過ごした部屋から荷物を運び出し、思い出が詰まったスマホのSIMカードを真っ二つに折る。これは、十年間の献身を裏切った男に、私という存在の重さを教え込むための静かなる決別の記録。過去をすべてゴミ箱に捨て去り、私は新たな人生と復讐の一歩を踏み出す。
砕け散った私の夢物語――彼の非道な裏切り の小説カバー
9.6
IT業界の頂点に君臨する五条樹との九年間は、建築家としてのキャリアも愛も手にした、幸福の絶頂だった。しかし、一台の交通事故がそのおとぎ話を残酷に終わらせる。記憶を失い目覚めた樹は、かつての献身的な夫ではなく、私を憎悪の対象と見なす冷酷な怪物へと変貌していた。幼馴染の姫川玲奈の甘い言葉に操られた彼は、金銭目的で私の最愛の弟を殺害。さらに、弟の葬儀という悲劇の場で私の両脚を無残に砕き、あろうことか私の声帯を外科手術で玲奈へと移植させた。声を奪われ、歩く自由さえ失った私は、壊れた人形のように打ち捨てられたのだ。かつて永遠を誓った深い愛情は、今や純粋な殺意を孕んだ憎悪へと塗り替えられた。樹は私を完全に破壊したと信じているだろう。だが、私は自らの死を偽装し、彼の帝国を崩壊させる決定的な証拠を手に闇へと消えた。愛した男はもうこの世にいない。次に現れる時、私はすべてを奪ったあの怪物に、地獄のような代償を支払わせる復讐の化身となる。
純白の裏切り、氷の復讐 の小説カバー
9.5
5年間、一途に瀬戸一矢を愛し続けてきた奥寺奈緒子は、純白のドレスを纏い、幸せの絶頂にいた。しかし、挙式直前に受けた一本の電話が彼女の人生を暗転させる。それは、新婦の名を彼の初恋相手である江崎朋穂に変更するかという、耳を疑う事務連絡だった。前日、一矢が朋穂に跪いて指輪を贈る姿を目撃していた奈緒子の脳裏に、「奈緒子なら分かってくれる」という彼の非情な言葉が突き刺さる。かつて火事から救ってくれたヒーローは、自分との結婚を延期すると偽り、裏で別の女との未来を描いていたのだ。全てを捧げた愛を無残に踏みにじられた絶望は、やがて凍てつくような復讐心へと変わる。奈緒子は冷徹に電話へ応じ、式場の予約変更を指示すると同時に、新郎の名さえも変えることを決意した。動揺する父に一矢との婚約破棄と別の男性との結婚を告げ、彼女は自らの足で新たな道へと踏み出す。かつての幸せな夢は崩れ去ったが、受けた屈辱と痛みは必ず倍にして返す。裏切りの代償を払わせるため、奈緒子の冷ややかな逆襲が今、幕を開ける。
打ち砕かれた妻 の小説カバー
8.7
夫の雅臣と息子の湊は、私への歪んだ執着を「愛情」と呼び、別の女・早乙女沙羅に心を寄せることで私の嫉妬を煽り、その苦悩を娯楽のように享受していた。そんな折、起きた交通事故。映画音楽家としての私の命である両手は無残に砕かれたが、二人は私の絶望を無視し、軽傷の沙羅を優先して私のキャリアを終わらせた。彼らは私の涙や怒りを期待していたが、私は感情を殺し、能面のような無表情を貫くことで彼らを動揺させる。しかし、残酷な仕打ちに終わりはない。雅臣は亡き母の形見である金のロケットを私の首から奪い取り、それを手にした沙羅は私の目の前で踏み潰したのだ。この家は愛の巣ではなく、私の痛みを糧にする冷酷な鳥籠だった。病院のベッドで手術を待つ間、長年育んできた愛は完全に死に絶え、灰となった。もはや彼らを更生させるつもりなどない。私はこの呪縛から逃れ、自分を裏切り続けた者たちを完膚なきまでに破滅させることを誓った。愛が消えた後に残ったのは、冷徹な復讐心だけだった。
エビの殻を剥くクズ夫を、笑顔で地獄へ突き落とす方法 の小説カバー
8.9
妊娠8ヶ月の身でありながら、土砂降りの雨の中で夫に土下座したあの日。実家の破産を救ってほしいと縋る私に、夫は初恋の女性を抱き寄せながら残酷な真実を告げた。「お前の家を潰したのは俺だ」と。復讐のために愛を演じていたと嘲笑われ、私はお腹の子と共に絶望の淵で命を落とした――はずだった。しかし、意識を取り戻すと、そこは妊娠が判明したばかりの「過去」だった。目の前では、夫がかつてのように優しくエビの殻を剥き、「どんな指輪が欲しい?」と甘い言葉を囁いている。その献身的な振る舞いも、全ては私を地獄へ突き落とすための偽善。吐き気がするほど醜悪な夫の微笑みを前に、私は静かに決意する。同じ悲劇を繰り返すつもりはない。今度は私が、この男が築き上げた全てを奪い、完膚なきまでに破滅させてやるのだ。二度目の人生を懸けた、壮絶な復讐劇が今幕を開ける。
もう誰にも媚びない——/私は私のままで、最強になる の小説カバー
8.8
名門・早乙女家に「真実の令嬢」として帰還した早乙女瑠奈。しかし、彼女を待ち受けていたのは温かな歓迎ではなく、涙を武器に家族の寵愛を独占する「偽の娘」の存在と、血の繋がった家族からの冷酷な蔑みだった。執拗ないじめや理不尽な侮辱に晒され、絶望の淵に立たされた瑠奈だったが、ある時ついに決断を下す。愛されることを望むのをやめ、圧倒的な力で周囲を屈服させる「畏怖される存在」になることを。家族の冷遇や世間の偏見を自らの糧へと変えた彼女は、独自の道を切り開き、誰の手も届かない高みへと登り詰めていく。かつて自分を虐げた者たちが決して追いつけない場所へ。過去の傷跡を問われ、「強さがすべてを黙らせる」と静かに微笑む彼女の姿に、もはや媚びる様子はない。これは、孤独な少女が己の力のみを信じ、最強の座へと駆け上がる逆転の物語である。
章
今すぐ読む
共有